Yoshitaka Arita Architect Office

BAR VISION

京都市中京区
  • photo by Yasushi Ichikawa
  • photo by Yasushi Ichikawa
  • photo by Yasushi Ichikawa
  • photo by Yasushi Ichikawa

1926年に建てられた旧京都中央電話局の建物が2001年にリチャード・ロジャースにより商業施設として改修、増築された。BAR VISIONはその際最上階につくられた期間限定のイベントスペースである。
改修後の新施設は設備機器を全て床下に設置するよう計画されたため、旧電話局の床レベルから950mm上がったところに新しい床がつくられた。つまり、新しい建物は950mm上にズレた状態で古い建物に重ねられた。
この、新旧ふたつの床の間に出来た「スキマ」を手がかりとしてBAR VISIONのデザインは始まった。新施設用に作られた新しい床を剥がしてメッシュの床に張り変え、その下に現れた古い床の上に蛍光灯を並べるというシンプルな方法で“光る床”を作り、時間の染み込んだ躯体を浮かび上がらせることにした。
限られた予算の中、簡単な仕掛けで空間を劇的に変化させることを試行したプロジェクトであり、特殊なストーリーを持つ床下空間と、期間限定という条件がこの設計を可能にしている。