Yoshitaka Arita Architect Office

舞浜の住宅

House in Maihama|千葉県浦安市
  • photo by Shinkenchiku-sha
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敷地北側に土手状の緩衝緑地があり、その向こうを首都高速湾岸線が走っている。施主である30代の夫婦はこの場所に建っていた古い家に3年程住んでいた。そのときの経験から、まず解決しなければならなかったのは防犯と湿気だった。古い家は2度も空巣に入られ、北側の緑地からは湿った空気が1階に入り込んで来た。
計画はまず主要部分を2階に持ち上げるところから始まっている。リビングを2階にすることは木々を楽しむにも好都合であったり、サーフィンが趣味のご主人のための広いピロティが確保できるなど、防犯や湿気だけでなく様々な条件に対してプラスに働いた。また前面道路を歩く人たちにとっても、ピロティを通して見える緑地の存在に気づくきっかけをつくったようだ。
2階の計画はこの敷地の一番の特徴である北側緑地を生かすことから始まり、平面を北側、中間、南側と3列に分割、北側木々に面して「集う」機能、湾岸線の騒音を避けて南側に「寝る」機能、そしてそれらを補完する機能群を中間列に配置した。この中間列は広間と個室群との間に適度な距離をつくり出すための緩衝帯でもある。
省スペースのため動線は中間列の各部屋を通り抜けるかたちとし廊下を極力なくしている。結果、ほとんどの部屋に2ケ所以上の出入口があり、グルグルと回遊できるプランとなった。さらにこの南北動線は風の通り道でもある。唯一の廊下の位置は、将来子供部屋が2室必要になった場合のアプローチとなるよう決められた。
次に、北側となった広間の明るさ確保のため北側列の天井を持ち上げ、南面に高窓を設け、同時に北側の木々に対して広いガラス面を確保した。
最後に南側に4列目となるテラスを配置、前面道路に面する格好となったため目隠と日除を兼ねた折戸式の格子雨戸を設置した。この折戸は日々変化するこの家の表情を現わす仕掛けでもある。
このように、簡潔な解決方法を分かりやすく積み重ね、連続させることでこの家はでき上がっている。